恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
病室で30分程過ごすと、お父さんのリハビリの時間がきた。
毎日欠かさず行う厳しいリハビリ。
「リハ室に行くから、もう帰っていいぞ」
お父さんは、私たちにリハビリをしている姿を見せようとしないんだ。
たぶん、辛い表情を見せたくないんだと思う。
どんな時も、自分の弱いところを見せないお父さんだから。
「頑張ってね」
私たちは笑顔で手をふり、リハ室へ向うお父さんを見送った。
ねぇ、お父さん。
私ね、お父さんが警察官に復帰して、またこんな目に遭うんじゃないかって不安がある。
けど、お父さんは戻るよね。
危険と隣り合わせの世界に、自ら戻っていく。
だって、お父さんは強い。
こんなに強い背中を、私たちに見せてくれてる。