恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「いくら春休みだからって、こんな生活してたら腐るぞ!」
お父さんの言葉に目を丸くした。
『腐る』って
どういうことよ……。
「カーテンくらい開けなさい」
怪訝な顔のお父さんが、ベッドの横にある黄色いカーテンを私の頭上で勢いよく開けた。
シャッという音と同時に、太陽の光が私の目を射す。
眩しさに驚き咄嗟に目を瞑ると、瞼の中で白い影が泳いだ。
太陽ってこんなに眩しかったっけ?
そういえば、ずっと部屋の中にいたから太陽の存在なんて忘れてた。
痛みに近い違和感から逃れようと、私はゆっくりと瞼を開いた。