恋 時 計 ~彼はおまわりさん~



「乗って!」


浅野さんが車の助手席のドアを開けて言った。



「でも、私……」


「宮本が居る場所、わかるかもしれない」



戸惑っていた私は、浅野さんの緊迫した表情と言葉に背中を押され車に乗った。




「おまわりさんはどこにいるんですか?」


「たぶん、数年前まで炭鉱があった場所の倉庫だと思う」


「どうしてそこに?」


「あいつ、自分ひとりで組織を捕まえようとしてるのかもしれない」


「え……」


「とにかく急ごう」






加速していくスピードの中、私の胸の中は大きく音をたてていた。










どうか無事でいますように。







おまわりさん






おまわりさん――‥。










< 650 / 712 >

この作品をシェア

pagetop