恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「乗って!」
浅野さんが車の助手席のドアを開けて言った。
「でも、私……」
「宮本が居る場所、わかるかもしれない」
戸惑っていた私は、浅野さんの緊迫した表情と言葉に背中を押され車に乗った。
「おまわりさんはどこにいるんですか?」
「たぶん、数年前まで炭鉱があった場所の倉庫だと思う」
「どうしてそこに?」
「あいつ、自分ひとりで組織を捕まえようとしてるのかもしれない」
「え……」
「とにかく急ごう」
加速していくスピードの中、私の胸の中は大きく音をたてていた。
どうか無事でいますように。
おまわりさん
おまわりさん――‥。