恋 時 計 ~彼はおまわりさん~


そのまま起きた私は、いつもより長い朝の時間を過ごし、身支度をして家を出た。



おまわりさんに携帯を返さないと……。




昨日の最後の態度は失礼だったよね……?


いつもなら足早に通り過ぎる交番の前で自己嫌悪している私。


どきどきしながらドアを開けようとしたら、中にいたおまわりさんが私に気づいてくれた。




「おはよう」


ガラッとドアを開けて笑顔のおまわりさん。



朝はいつも遠くからチラッと見るだけだったに、こんなに近くで会えるなんて……。



私の胸はいつも以上にキュンっとした。




「おはようございます。あの、昨日携帯渡しそびれて……」


「あ~やっぱり? ごめんね、朝うるさかったでしょ?」




笑顔で私から携帯を受け取ったおまわりさんは、昨日の私の態度は全然気にしてないようだった。






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