恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
「それじゃ、失礼します」
おまわりさんの笑顔を避けるように、私は交番の前から立ち去ろうとした。
なんだか胸の中がモヤモヤ?
ううん、ムカムカしてきたんだもん。
ちっとも私のあの態度を気にしてくれてないおまわりさんは、
心が広いからなのかもしれない。
けど……
性格が悪いって思われちゃうかもしれないけど、ちょっとは私の変化に気づいてほしいって思ったんだ。
歩きはじめた私に、おまわりさんが声をかけてきた。
「美樹ちゃん!」
ムスッとした顔で振り返った私。
なのに……
「いってらっしゃい!」
おまわりさんの笑顔で、私の顔は一気に緩んじゃった。