恋 時 計 ~彼はおまわりさん~
太陽が沈むにはまだ早い時間。
昼間っから男二人で飲むなんて変な気分だった。
こうやって近距離で接するのは初めてなのに、なんだかずっと前から顔見知りだったように感じる。
それは、胸の中にいる美樹の存在のおかげかもしれないな。
「あんたさ、あれから美樹に会ってないんだって?
あの事件の日。あれからもうすぐ2年か……」
彼は空を見上げ、遠くにある雲を眺めるように目を細めた。
俺は彼の視線の先を追いかけるように、ゆっくりと顔を上げた。
あれから、いくつもの季節が流れていた。
浅野さんたちの自供のおかげで、密売の組織自体が壊滅した。
だけど、警察官という枠を超える身勝手な行動をした俺と名取さんは、それぞれ責任をとることになった。