**confection**
なんやかんやと、鍋はほとんどなくなってしまった。
みんなと並んで後片付けをして、一息着く。
と言っても、洗い物なんかはいつも美春とももが担当してくれている。
一服してまったりとしていると、扉の向こうからはももと美春の楽しそうな声が響く。
「なあ、るぅは告んないのか?」
「…はっ?え?」
突然掛けられた俊の言葉に、指に挟んでいた煙草を落としそうになる。
こ、告っ?告白?
何故今そんな事を言われるのか、何の前触れもなく突然の事すぎて、思わず目を見開いて俊を見つめた。
からかっている様子も、冗談を言っている様子もなく、思ってもみなかったセリフに思考が止まったようだ。
「聞いたぞ〜栗本の話。あいつしつこそうだもんな」
「う…ん……。そうだな…」
そんなワケないのに、なんだか説教を受けているような気分になってくる。
何というか、逃げ出してしまいたくなるような。
「いいのか〜?結構ももの事狙ってるてヤツ居るみたいだぞ?上の学年にも」
龍雅の試すような言葉だが、その表情と声は穏やかだ。
やっぱりみんな知ってるんだよなあ。
ここは心配してもらってる?みたいだし…でも何て言えばいいんだ……。
……てゆーか、
「う、上?先輩にも?」
ただでさえ、校舎も違うのに接点なんかない。
なんでそんな接点のない上学年にまで。
そう思った所で、入学式の様子が脳裏に蘇った。
「あ…そうか…」
「首席入学。初っ端からあんなけ目立ってりゃなあ」
こりゃマズい。
全く持って想定外だった。
自分の事にいっぱいいっぱいになりすぎて、周りまでよく見ていなかったのだ。
ももには、人を惹き付ける要素がありすぎる。
今まではただの自己満足で済んでいたものの、いつどこで他のヤツにかっさられるかなんて分からない。
俺は、平和ボケでもしすぎていたのかもしれない。