何処にでもあるラブストーリー
「おなか空いちゃいましたね。」そう言って、奈緒子はお品書きのページをぱらぱら捲った。 

愛想がいい二十歳前後の和服の女性店員が注文を取りに来ると、僕はとりあえずビールを2つ頼んだ。 
奈緒子が追加で枝豆を注文すると、女の店員は枝豆はなく、伊達茶豆しかないので、それでいいかと僕らに伝え、僕らはそれでいいと答えた。 

「居酒屋に枝豆がないってのは客にとっても店員にとってもややこしいな。」と僕は店員がいなくなってから口に出していった。 

それについては奈緒子も同意見だった。 
ビールが届く前に僕らは、お品書きから料理を選んだ。 
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