今宵、月の照らす街で
スピーチが一通り終わる。


一つわかった事は、梅宮が、アツい人間だと言うこと。


成二が苦手なタイプだ。


梅宮のスピーチが終わってから、対策室の面々は仕事に戻ったり帰ったりで、いつもの静けさに戻る。


「なんでアンタが来るのよ!」


「?」


明奈の声が響いた。スタッフの視線が、梅宮と明奈の、険悪ムードに集中する。


「人事は俺じゃなくて長官だよ。それにしても久しぶりだな。元気だった?まだキャバやってるのか?」


「うっさいわね!相変わらず馬鹿ね!質問してるのはコッチでしょ!」


訂正。


険悪なのは明奈だけ。梅宮は空気が読めないような感じだ。


―――ますますやりにくい…


そんな明奈を横目に、成二とはるかは室長執務室へ、先程の報告に向かった。
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