今宵、月の照らす街で
纏わり付いたモノは、イプシロンの陰。それをもとに、桜の脚からイプシロンの姿が再生した。
「な―――!」
一瞬、桜の心が乱れる。
だが、その一瞬が、今までの戦況を180度回転させる。
野蛮な笑みで、歯を剥き出しにしたイプシロンの右拳が、無防備な桜の脇腹を襲う。
「――――ッッッ!!」
橙色の、如月の波動を集中させたが、少し遅かった。
気付いた時には、桜の背中はビルの壁に打ち付けられていた。
「あ―あ!!本気出したらコレかよ!つまんねぇなぁ…」
イプシロンは首を鳴らす。桜に視線を移すと、微かに動く、しなやかな指が見えた。
「まだ生きてやがる…」
イプシロンは大股で一歩踏み出し、左腕をグルグル回した。
「喰ったら旨いかな」
左腕が、大きな牙を持った口に変化する。
「う…………」
桜が眼を開いた時には、その、唾液が滴る口が大きく開いていた。
―――ここまでか…
桜の瞳から、希望の光が消えた。そして、絶望の闇が眼前を覆いつくした…
「な―――!」
一瞬、桜の心が乱れる。
だが、その一瞬が、今までの戦況を180度回転させる。
野蛮な笑みで、歯を剥き出しにしたイプシロンの右拳が、無防備な桜の脇腹を襲う。
「――――ッッッ!!」
橙色の、如月の波動を集中させたが、少し遅かった。
気付いた時には、桜の背中はビルの壁に打ち付けられていた。
「あ―あ!!本気出したらコレかよ!つまんねぇなぁ…」
イプシロンは首を鳴らす。桜に視線を移すと、微かに動く、しなやかな指が見えた。
「まだ生きてやがる…」
イプシロンは大股で一歩踏み出し、左腕をグルグル回した。
「喰ったら旨いかな」
左腕が、大きな牙を持った口に変化する。
「う…………」
桜が眼を開いた時には、その、唾液が滴る口が大きく開いていた。
―――ここまでか…
桜の瞳から、希望の光が消えた。そして、絶望の闇が眼前を覆いつくした…