今宵、月の照らす街で
「千鶴さん。納得行かねぇよ」
京介の冷えきった反論の視線が、千鶴の目を捉えたまま、離れない。
「じゃあ、多香子は誰が守るの?」
「…!」
千鶴はダイニングテーブルに肘を置き、その薄紅色の唇を隠すように腕を組んだ。
「京介。私は貴方が何を考えてるのか、何となく察しているつもり。敢えて口にはしないけど、貴方が持ったその力は、復讐ではなく護る為に使って欲しい」
「…」
周りの室員の声は2人の耳に届く事なく、視線だけの会話が続く。
「わかったよ…」
京介が再び席を外し、2階の多香子の下へと向かった。
階段を進む、少し重い足音が一定のリズムで刻まれる。その中、千鶴が結衣を見た。
「ここの事、結衣に一任するわね」
「了解」
千鶴は腰を上げ、周りを見渡した。
「じゃあ準備して。もう休んでいる時間はないわよ」
京介の冷えきった反論の視線が、千鶴の目を捉えたまま、離れない。
「じゃあ、多香子は誰が守るの?」
「…!」
千鶴はダイニングテーブルに肘を置き、その薄紅色の唇を隠すように腕を組んだ。
「京介。私は貴方が何を考えてるのか、何となく察しているつもり。敢えて口にはしないけど、貴方が持ったその力は、復讐ではなく護る為に使って欲しい」
「…」
周りの室員の声は2人の耳に届く事なく、視線だけの会話が続く。
「わかったよ…」
京介が再び席を外し、2階の多香子の下へと向かった。
階段を進む、少し重い足音が一定のリズムで刻まれる。その中、千鶴が結衣を見た。
「ここの事、結衣に一任するわね」
「了解」
千鶴は腰を上げ、周りを見渡した。
「じゃあ準備して。もう休んでいる時間はないわよ」