今宵、月の照らす街で
「…吹き荒れろっ」


成二は冷たい隊長の右腕を放さないよう、痕が残るほど強く握りながら気を集中した。


「嵐月時雨!!!」


108本全ての剣が隊長を包んだ。


そして全ての剣が、成二が隊長の右腕を握ったまま、隊長を貫いた。


その瞬間、隊長が微笑んだ様に見えた。


そして、隊長の腕からは力が失くなる感覚が、ハッキリと伝わった。



―――もしかしたら、俺は再び過ちを犯したのか…?


―――隊長は生きていて…俺が勘違いして…殺したのか…?


―――俺は…何をした…?


―――殺したのか?


コ ロ シ タ ノ カ ?


「うわあああああああああああああああああああああああああああああああ!!」
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