父さんと僕
「そっか!じゃあおやすみ」


 そう言って父さんは僕の部屋から出て行った。寂しそうなその笑顔のせいで、僕はまた泣きそうだった。


「あぁそうそう、明日は学校休め。最近遊んでなかっただろ?明日は父さんも会社休むから、な?」


 部屋の扉を閉めたあと、父さんはそう言った。


「――おやすみ」


 それを無視した。学校は休みたいけど、休みたくはないから。


「絶対休めよ。父さん楽しみにしてるからな」


 僕は返事をしなかった。



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