父さんと僕

4.天木千鶴

 肩を落としている夫はとても落ち込んでいるみたい。きっと上手くいかなかったのよ。


「ダメだったの…?」


 夫が戻ってくるのは早すぎよ。会話をする時間がほとんどなかったはず。


「あぁ、ダメだった。でも、私は明日会社を休んで意地でも雄太と一日過ごすよ」


 そう言って笑顔になる夫。


「そう――」


 会社より雄太を優先してくれるのはすごくうれしい。


「学校には風邪をひいたとでも言っておいてくれ」


「わかったわ」


 そんなことは簡単だわ。いくらでも休ませてあげる。


「それにしても――雄太は私に似てしまったみたいだね」
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