父さんと僕
「んー、簡単に言えば誰にでも金を貸す人達だね」


「なんで貸すの?」


「お金を100円貸したとしよう。そして、貸してあげるから礼として返すときは110円返せ、とそういう商売なんだ」


「へぇ~それがどうしたの?」


 ずいぶん優しい人たちみたいに聞こえるだろうなぁ。


「闇金でね。おばあちゃんが――雄太からすればひいお祖母ちゃんだね。その人がお金を借りまくっていてね。借金だらけの生活だったよ」


「それが何でひどいの?」


 こんなこと話してもいいのかな、と思う。現実ってやつは厳しいものだから。でも、雄太はとても興味を持って話を促してくるんだ。


「お金を返せなかったんだよ。私達の家族は」
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