父さんと僕
「何かあるだろー?可愛い子とかいないのか?告白して断られた可哀想な同級生とかは?」


「それは――いるんだろうけど」


「お前の好きな子はいないのか?」


 去年まではいた気がするけど、今年はいない。


「いないのかぁ。父さんが小学生の時は好きな子がいっぱいいたぞ。それはもう告白したものさ。ラブレターなんか書いたりしてさ」


 そういえば二年生の時、竹田さんにラブレターを書いてゴミ箱に捨てられた可哀想な奴がいたなぁ。


「そういう話はないのか?」


「う~ん、あ、そうだ!僕ね。テストで満点とったんだ。それでクラス一番になったよ」
< 29 / 63 >

この作品をシェア

pagetop