父さんと僕
「ふぅ、昔は貧乏でこんなものを食べることもできなかったよ。外食なんてなくて、毎日チキンラーメンにごはんをいれてね。まずかったなぁ――」


 毎日それはとても辛いと思う。


「辛くてね。飽きるしね。しかも、当時認知症のお祖母ちゃん、あぁお前からすれば曾おばあちゃんだな」


「わかるよ」


 そんなの言い直さなくてももうわかるよ。


「そっか。まぁ父さんと母さんが毎日借金を返すために働いていたからね。家ではいつもお祖母ちゃんと二人っきりのときが多かったんだ。夏休みのときなんか毎日それでね。辛かったなぁ」


 しみじみと語る父さんは何かを思い出しているのか、ちょっと辛そうな眼をしている。よっぽど嫌だったんだね。
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