父さんと僕
「お前は幸運だ。イジメられてな。乗り越えられればきっと自信がつく。きっとお前はもっと強くなれる。傷ついた奴のほうが優しくなれるって聞いたことはないか?きっとそれは素晴らしいことだと父さんは思う」


 知らないよ!普通に生きていきたいよ。
 僕は苦しいのや辛いのはまっぴらごめんだ。
 話なんてもう聞きたくない。


――けど、何故かやめてと言えないんだ。


「あれは確か雨の降る夜だったね」


 思い出すように父さんは語りだす。
 

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