涙の欠片

そのリュウの隣には明るくハイテンションになっている女の顔。

女は両手をポケットに突っ込んでいるリュウの腕に自分の腕を絡ませて微笑んでいる。

リュウは無愛想で全然笑っていないけど、その2人の光景に胸が締め付けられそうになった。


ザワザワした人の声も…、

人の足音も遠くの方で走り去る車の音も何も聞こえない。

あたしの周りだけが止まっている…。


「……りな、…恵梨菜!!」


激しく肩を揺すられる揺れと、美沙の大きな声でハッと我に返った。

ビクンとするあたしに美沙は表情を崩しあたしの顔を覗き込む。


「ちょ、大丈夫?急にどーしたのよ?しんどいの?」


「あ…、いや…。何でも…」


軽く首を振って俯くあたしに美沙は小さく呟いた。


「あっ…、神崎先輩。」


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