涙の欠片

はっきし言って、あたしの今までは自分との戦いだった。


薬に溺れる毎日で、“何やってんだろ”って思ったし、もう嫌だとも思った。

自分が生きていく事で精一杯だった。


だけど、今あたしがいるのも周りにいる人達のおかげなんだ…。

ふと目線を右斜め前に向けると黒髪に金のメッシュが入った一馬が目に入った。

ダルそうにダルそうに座っているその姿に思わずあたしはフッと笑った。




式が終わり教室へ戻り、卒業証書を受け取ると美沙はあたしの肩にポンッと手を置いた。


「恵梨菜、今までありがとね」


笑顔で言ってくる美沙に思わず涙が込み上げてきそうになった。


「それ、あたしの台詞だから。ホントに…、ホントにありがとう」

「あたしは別に何もしてないよ。恵梨菜と居れて楽しかったよ。…また会おうね」


そう言って美沙は右手を差し出してきた。

その手にあたしも右手を出し「うん」と言って重ね合わす。


美沙が力一杯、手を振った後、お互いの手はスッと離れ美沙はあたしを見る。


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