涙の欠片
女達は一気に青ざめ、目が泳ぎ、そしてポトっと女が持っていたハサミが地面に落ちた。
その落ちたハサミを翔平は手に取りカチカチさせる。
「へぇーハサミじゃん。何でこんな所にあんの?」
翔平は女達の顔の前でカチカチとさせ青ざめる女達にうっすら笑った。
その顔は笑っているんだけど口元だけで、目が相当に怒っている。
「俺さぁ…。こう見えてもすげぇ切んのうまいんだ。切ってあげよっか?」
「……ごめ…ん…なさい」
途切れ途切れに吐き出された弱々しい声に「聞こえねぇんだよ」と翔平が低い声を出す。
青ざめる女達の顔を目にしたあたしは顔を上げ2階の窓を見る。
だけどそこにはもうリュウの姿はなかった。