涙の欠片
身体によくないって事ぐらい知ってるよ。
“何でダメなの?”
“リュウだって吸ってるじゃん”
って言おうとしたけど、その言葉は言っちゃいけない気がして言わなかった。
「はい」
目の前に差し出された缶コーヒーに目を向けてからリュウを見上げた。
「これしかねぇんだけど」
「…ありがと」
差し出された缶コーヒーを受け取ると同時にリュウは腰を下ろし胡坐を掻く。
手渡された冷たいコーヒーの蓋を開け、カラカラになった喉に流し込んだ。
「それ飲んだら家まで送る」
そう言ってきたリュウにコクンと頷いた。
「寝れるか?」
「分かんない」
「とりあえず今日は出歩くな。んで、何かあったら電話してこい。寝れなくてもいいから」
リュウはベッドの上にあった携帯を取り2ツ折りの携帯をパカッと開けてあたしに差し出した。
「…え?」
意味の分からない行動に戸惑い、あたしは首を傾げる。
「あー…、んっと自分の番号分かる?」
「うん」
「じゃあ、俺の携帯から掛けて…、番号残っから」
「あ、うん…」
差し出されたリュウの携帯を受け取り、自分の携帯に電話を掛けた。
鞄の中から密かに聞こえる着信音を耳にした後、あたしは電話を切りリュウに渡した。