涙の欠片

その日の夜、少し気分は落ち着いたものの、でもそう簡単には眠りにつく事は出来なかった。

薄暗い部屋の中、ベッドに寝転んでただ天井を見つめていた。

何度も何度も携帯の画面を開いては時間を確認する。

全然時間が進まないのに何度もため息をつき淋しくなる悲痛を止めようと何度もリュウに電話しようと思ったけど、やっぱし出来なかった。


これ以上、迷惑はかけれない。

だけどそれと同時に何故か会いたいと言う気持ちが込み上げてきた。



朝の光で目が覚め、少し寝てたんだと気付いた。

やっぱりあたしの睡眠は凄く浅くてすぐに目が覚める。


昨日、リュウのお姉さんが貸してくれた制服に身を包み、いつも通りリビングに顔を出すと珍しい顔が現れた。


「今日は休み?」


タバコを吸いながらオーブンから焦げ色のパンを出しながらお皿に置くお母さんに声を掛け、冷蔵庫に向かった。


「あー恵梨菜おはよ。今日は休みよ。それより恵梨菜、頭痛いの?最近自棄にテーブルの上に薬が散乱してるわよ」


とくに深く心配する気配すらない母に「あー…うん」と曖昧な返事を返し冷蔵庫から取り出したミネラルウォーターを口に含んだ。


「パン食べる?」

「いらない。もう行くし」


そう言って、あたしは鞄にペットボトルを突っ込み家を出た。


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