【続】インナーラブ~俺は荒海47歳~
「部長~!今日のお弁当は何ですか?」
エレベーターの中で2人きりになってしまった俺は、どうしようもなくドキドキしていて、また冗談を言ってしまう。
「から揚げや。若い女の子は揚げ物好きやから、から揚げばっかりやねん」
「えーーー!浮気ですか!部長は真面目だと思ってたのに」
「嘘やって。信じるなや~!今日は、筑前煮や。もう俺じいちゃんやから」
山口は俺のことをどこまで知っているんだろう。
山口の耳に届けばと思い、最近いろんな場所でひとりだということを告白してきた。
先立たれたと言うと場の雰囲気が悲しくなるから、俺は「バツイチや」とふざけた顔して言っていた。
そりゃ誰も信じないか。
山口は、俺に妻がいると思ってるんやろうな。
もし・・・
俺がひとりだと知ったら、山口は・・・どうする?
何も変わらない?
今まで通り?
それとも、もう少し俺に興味持ってくれる?