バレットフィンク
豪奢な扉を丁寧な手つきで開けると、絢爛豪華な内部へ二人が相変わらずの挙動不審に映る程の落ち着きが無い視線を放射しながら歩を進めて行く姿はとても弱々しい。


そしてキョウジが独り言の様な囁き声で


「俺、こんな場所に足を踏み入れるの初めてだよ…」


と、羨望に満ちた吐息を零しながら呟いている。


二人の際限が無い好奇と羨望の視線を余所に、カオルが奥から飄々とした足取りで姿を現す。


すると、二人はカオルのルックスを目の当たりにして、事前に話を聞いていたにも関わらず、激しさを伴う畏怖の念が入り混じった動揺を隠せず、瞬時に恐怖の虜と化してしまう。


余りの大胆不敵な格好に、会話するのが躊躇われてしまう憐れな二人であった…。



< 125 / 220 >

この作品をシェア

pagetop