バレットフィンク
タケシは学が自分に対して語ってくれている様に思えて仕方が無かった。


もし、学が自分の傍にいたらきっと同じ事を語ったに違いない。そう思うと、自然に勇気と希望が漲って来るではないか?


そしてこの雨!


悠然と降りしきるこの雨が、更なる感動を呼び起こしてならないのである。


タケシはスクーターを走らせながら、叫び声を挙げた。


「俺の夢は、夢は、バンドデビューする事でーす!」


午後11時前、車の往来が少ない車道に、タケシが奏でる魂の叫びがこだました…。



家に到着すると、ビショ濡れ姿のタケシを目撃した母親が

「あんた、いい歳してどこの川で泳いで来たの!?」


と、眉間を八の字にして問いかけて来た…。



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