空想姉妹
手を通して、私のスピードがカナに移動していくのがわかった。

もしも私がカナだったら、こんな中途半端な助け方じゃなくて、もっとうまく立ち回っていただろう。

けれど、こんなにも確実な助け方ができるのは私だけなのだ。

私はカナを歩道まで突き飛ばした。

カナがおもいっきり手をついて歩道に倒れて、スピードを失った私は車道に倒れた。
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