冬と恋と君と【短】


その仕草で、あたしの心臓は大きく跳ね上がった。


それを隠すため、ちょっとふてくされた声をだした。



「唐揚げ好きなのに!」

あたしの抗議は笑顔でかえされ、はいはいと言いながら健太はトマトをとった。




「はい、口開けて。」


あたしは言われたままに口を開けた。



パクッ


健太のトマトがあたしの口の中にあった。




「唐揚げのお返し。」


「…キライなだけじゃん。」







好き…


好き。



大好き。





だから、この気持ちを伝えたいのにー……





< 12 / 40 >

この作品をシェア

pagetop