独眼狼ーワンアイウルフー



レクスは、その姿を見た事があった…それはコハクの部屋にあった写真立ての中にあった姿。


「…もしかして、コハクの…?」


女性は微笑んで頷いた。


「えぇ、私は翡翠(ヒスイ)…琥珀の姉よ。それより、あなた―…」


ヒスイが首を傾げる。

そして、レクスは今自分が置かれている状況を理解した。

女の子の…しかも自分の妹の部屋に、知らない男が寝ていた。


ヒスイから自分は何かしたのではないか…と疑われても仕方がない、そんな状況…。


レクスは急いで頭を下げた。


「あ、あの……俺、コハ…妹さんには何も…」
「してないんでしょ?分かってるわ」
「…え……?」


ヒスイがレクスに近づき、その頭を撫でた。


「琥珀の看病をしてくれたんでしょう?…団長から話は聞いてたの、ありがとうねレクス君」


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