独眼狼ーワンアイウルフー
ヒスイの予想外の行動に、レクスは固まる事しか出来なかった。
しかし、レクスがふとある事に気づいた。
「…あれ、ヒスイさん…俺の事知って……?」
「えぇ、知ってるわ。団長から聞いたのもあるけど…」
手を下ろし、視線をまだ眠るコハクに向けてヒスイが口を開いた。
「よく琥珀から聞いてたのよ、あなたの事」
「コハクから…?」
レクスが気の抜けた声を漏らす。
ヒスイが微笑みながら頷く。
「そう、琥珀からよ。休憩中や休みの日に会うと、第一軍師団の人の話をしてくれるの。…でも大体はあなたの話ね」
ヒスイの言葉に、レクスが目を点にした。
「……コハクが…俺の事を?」
「そうよ。…「あいつ、本当に無愛想なんだよ」とか「いっつも何かを隠してるような…そんな顔してる」…ってね」
けっこう色々言われてたのか…と思い、レクスはヒスイに気づかれないように、ため息を溢した。