独眼狼ーワンアイウルフー



ヒスイの予想外の行動に、レクスは固まる事しか出来なかった。

しかし、レクスがふとある事に気づいた。


「…あれ、ヒスイさん…俺の事知って……?」
「えぇ、知ってるわ。団長から聞いたのもあるけど…」


手を下ろし、視線をまだ眠るコハクに向けてヒスイが口を開いた。


「よく琥珀から聞いてたのよ、あなたの事」
「コハクから…?」


レクスが気の抜けた声を漏らす。

ヒスイが微笑みながら頷く。


「そう、琥珀からよ。休憩中や休みの日に会うと、第一軍師団の人の話をしてくれるの。…でも大体はあなたの話ね」


ヒスイの言葉に、レクスが目を点にした。


「……コハクが…俺の事を?」
「そうよ。…「あいつ、本当に無愛想なんだよ」とか「いっつも何かを隠してるような…そんな顔してる」…ってね」


けっこう色々言われてたのか…と思い、レクスはヒスイに気づかれないように、ため息を溢した。

< 161 / 241 >

この作品をシェア

pagetop