指切りげんまん
「和尚…外から悲鳴が!」

「外には誰も居らん」

七瀬が目を伏せる。
年を食った和尚の鋭い眼光があたし達を見た。

「お前らも外のことは気にするな」

「何か隠してませんか?」

間髪入れぬ佑の質問。
和尚の言い分はどう考えても不自然だ。

「…この村の人間は今ここに全員集まってる
外から悲鳴が聞こえることなんてないさ

まだ朝は早い、部屋へ帰れ」

七瀬が鍵をもう一度かけた。

楼蘭荘がまた密室へと戻る。


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