指切りげんまん
「なんかおかしくない?」

「おかしいな」


振り分けられた楼蘭荘の一室。

ベッドに腰かけ俯いてる佑の背中に嘆く。
携帯を確認するとまだ6時前、しかし和尚の言う通り再び眠る気にはならなかった。

「絶対なんか隠してるよ」

軟らかいベッドを腹立ち紛れに叩く。
状況が把握出来ていない状態がすごくもどかしい。

「そう思うんだったら刀でも手入れしとけ」

振り向く佑の手には小型のリボルバー。
あたし達組織の人間に日本国憲法はほぼ適応されない。

任務中、いや何をしていても命を狙われることが多いからだ。


.
< 19 / 53 >

この作品をシェア

pagetop