指切りげんまん
「150年程昔、この村がまだ栄えて居た頃のお話です。

水車番の家に一人の赤ん坊が生まれました。

跡取りが出来た、そう家の者は喜び
誕生を心待ちにしていたそうです。

しかし、出産を手伝った産婆と母親が見た赤ん坊の姿は
その当時の人から見たらとても奇怪だったようでした。

水車番の家の赤ん坊の話しは瞬く間に村中に広がり
村人達は母親に

赤ん坊を殺せ、祟りがある

そう言い聞かせます。

母親にとってその赤ん坊はどんな姿でも我が子。

お腹を痛めて生んだ子を手にかけるなど、その母親には出来なかったみたいです。


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