指切りげんまん
振り向いても何も居ない。
ただ石造りの壁が広がっているだけ。

緊張と不安で細い息を吐いた。

その時。


肉が潰れるような音を立て、下の土から腕が飛び出した。

黒ずみ、僅かにぬめぬめと光沢を放つ腕。

「気持ち悪っ!」

あたしの足首を掴み放そうとしなかったそれを踏みつぶす。

腐っているであろう腕は踏みつぶし、一時大人しくなったが時間を置くとまた向かってくる。

「うわー」

肘辺りからしかない腕は指を使いこちらに這って来ていて。
あたしが踏みつぶしたことによって突き出た骨が、腐った皮膚と相成りグロテスク。


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