君は君のままでいて
え、と。


ここはたくさんの人が行き交っている空港の中だって事、緑風は解っているはずだよね?


「ホ・ン・ト。
俺の言う事を信じられない?」


わかっていて。


僕の大好きな、その低い声で。


腰が砕けそうな甘いささやきを、わざと僕の耳に流し込むんだ?


緑風がそんな人だっていうのは、とうの昔にわかってはいるけど。


「緑風の………ばかぁ。」


僕はガクリと折れそうになる膝を必死に保ちながら、後ろから僕を抱く緑風の腕にすがったまま情けなく呟く羽目に陥った。


「こんなトコで、やめて。」


悪戯ばっかりしてっ!
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