ヲタ恋
春は、お店の一番奥にある部屋のドアをノックした。部屋のなかの様子は、春が立っていて何も見えない……。

私もそれなりに身長はあるけど、春とは10センチ程違う……。だって春、もうすぐで170だもんなぁ。いいなぁ、背高くて〜と思っているとドアが開いた。


中からは、眼鏡をかけているさえない感じの男の子が顔を出す。



……誰!?



私は、目が点になった。見覚えがない顔……本当に誰なんだろう……。


「……お?蒼?」

「はっはい!?」


ボーとしていた私の顔を真っすぐ見ながら春が私を呼んだ。反射的に返事をする。はっはい!?ってなんだよ……私……。


「だっ大丈夫?」


自分の頭をバシバシ叩いている私を見て、一歩下がってから春が言った。


「へっあっ!?あぁ、大丈夫♪」

「あっそう?ならいいけど……。じゃなくて、入っていいって!入ろう!!」

「あっうん……!」


春は、私の手を引きながら半分ぐらい強制的に部屋に入れた。


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