Bitter Love〜苦くて切ない恋〜
強いお酒を飲んだせいなのか、あたしの本心なのか、よくわからない。

「そう、見える?」

「見えるって言うか…」

違うんですかと言おうとした時、唇がふさがれた。

中沢さんの、キス。

唇が離れる。

「少し、唇を開いて」

中沢さんの言う通り、あたしは唇を少し開けた。

「んっ…」

中沢さんが唇をふさいだ。

開いた唇に、舌が入ってくる。

深い、キスだった。

全てをあげると言うような。

中沢さんの隣にいることを証明させるような、深いキス。

本当にあたしは、あなたの隣にいるんだ。

かなわない恋とか、そんなの関係ない。

あたしは、本当に中沢さんの隣にいるんだ。

中沢さんが唇を離した。

そして、こう言った。

「…ベッドに、行こうか?」

その誘いに、あたしがうなずかない訳がなかった。
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