Bitter Love〜苦くて切ない恋〜
目を開ける。

夢の中で泣いていたのか、あたしは涙をこぼしていた。

中沢さんは、あたしに腕枕した格好で、眠っていた。

今日も、あたしは中沢さんと過ごした。

奥さんは今日も夜勤。

奥さんが夜勤の日は、中沢さんと過ごすことが、決まりみたいになっていた。

人から見れば、あたしは慰み扱いに見えるかも知れない。

つまり、愛人。

それでもよかった。

だってこうして、中沢さんの隣にいられるから。

隣で、中沢さんの顔を見ることができるから。

すごく、嬉しい。

こぼれた涙を拭うと、1人で微笑んだ。

愛してるよ、中沢さん。

本当はこう言う場合、“大好き”って言うのが正解かも知れない。

けど中沢さんは、“大好き”よりも“愛してる”の言葉が似合うんだ。

だから、“愛してる”って言うんだ。

中沢さんだけに。

特別な言葉だから。

柔らかそうな髪に触れようと、あたしは手を伸ばした。

その手は、つかまれた。
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