永遠にきみに
「おま、……え?泣いてんの?」
「泣いてないよ!」
「泣いてんじゃん」
「はなみう#$◎%※♭…」
「いや、何言ってるかわかんねーから」
夏木の突っ込みは冷静だ。
困ったような顔で、あたしを見つめている。
あたしは鼻水を思いっきりズズズーッとすすって、涙を制服の裾でぬぐった。
「よし!祝おう!」
「…は?」
あたしは宣言して、自分のカバンをあさりだした。
何かあったかな…。
あ!これいいじゃん!
残念ながらケーキというわけにはいかなかったけれど、中からクッキーを発見した。
意味が分からない様子の夏木の手に、強引に2枚組のクッキーのうちの1枚を渡す。
「はい、夏木!これ持って!」
「…お前、謎ー」
「うっさい」
さらに何か言おうとする夏木の声を遮って、ハッピーバースデートゥユーを歌う。
できるだけ大声で、できるだけ優しく“生まれてきてくれてありがとう”って思いが、ちゃんと夏木に伝わるように。