永遠にきみに


夏木の目は、どうしてこんなに悲しそうなんだろう。

じっと見つめていると、泣きそうになった。

居心地悪そうに、夏木が目をそらす。



「違うよ…」



違うよ、夏木。

誕生日は絶対にめでたいもんだよ。

絶対、絶対、めでたいもんなんだよ。

だって夏木が生まれた日ってことでしょ?

13年前の今日、夏木が生まれたってことでしょ?

めでたくないわけないよ…。



言葉にならなくて、代わりに涙が溢れた。

夏木のその悲しい目を、あたしはよく知っている。

それは……あたしでもあるから。


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