FAKE‐LAKE
アンジェは目の前にいる年下の少年を見つめた。

彼の不思議な容姿を、いつしか不思議と思わなくなっていた事に気が付く。

一人で暮らしている事に疑問すら抱かなかった自分が、いつからかレイと居る日常を当たり前と感じていた事にも。

家族。

その言葉の温かい響きに本当は憧れていた。望んでも叶わないと諦めていただけで。

返事を待って俯きかけていたレイに、アンジェはすっと手を差し出した。

「僕の……弟、になるのかなレイは」

一瞬の後、レイの顔がぱっと喜びに輝く。陽の光を浴びてキラキラ光る湖の水面のような笑顔。

差し出されたアンジェの手を両手で握り、レイは何度もありがとうを繰り返した。

「ありがとうアンジェ! 今日からアンジェは僕のお兄さん、だね!」

お兄さん。

そのくすぐったい響きがなんだか嬉しくて、アンジェは“弟”の頭をくしゃくしゃと撫でた。


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