FAKE‐LAKE
「アンジェ?」

仕事から帰ってきたおじさんは、部屋の隅で泣きつかれて眠っているアンジェに呼びかけた。

「どうしたんだ、こんな所で」

抱き上げた瞬間、アンジェは悲鳴をあげた。博士だと思ったのだ。

「どうした、アンジェ」

恐怖に見開いた瞳におじさんの心配そうな顔が映る。

「おじ、さ……」

乾いたばかりの頬にまた涙が伝った。

しがみついて泣きじゃくるアンジェの背中を、優しい大きな手がさすってくれる。

「ひ、独りに、しないで」

いつも我慢していた言葉が、涙と一緒に零れ落ちた。

「独りぼっち、が、怖いの」

おじさんの腕に抱かれほっとしたアンジェは、震えながら本当の気持ちを話した。


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