FAKE‐LAKE
「……ごめんな、一人にして」

でももう大丈夫、とおじさんはアンジェの顔を覗きこんだ。

「ほら、おじさんがそばにいるだろう?」

ぽろぽろと零れる涙を拭ってくれる温かい手。大好きな手。信頼している人の声。

「もう、大丈夫だよ」

アンジェは安心したように笑顔を見せた。

「さ、おじさんはこれからご飯だ。アンジェも少し食べるかい?」

こくん、と頷く。お腹は空いていないけれど、おじさんのそばにいたい。

よし、と立ち上がったおじさんは一瞬何か考え、もう一度しゃがみこんだ。

きょとんとしているアンジェに笑いかけ、両手を開く。

「おいでアンジェ」

迷う事無く、アンジェは心から信頼しているその腕の中に飛び込んだ。


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