FAKE‐LAKE
 アンジェがさらに近づくとレイは狂ったように叫んだ。
「僕に触ったらアンジェが死んじゃう! 来ちゃ駄目!」
 一体何があったのか。
 触っただけで小鳥が死んでしまう訳がない。きっと、小鳥の死がショックで勘違いしているんだ。
 そう思ったアンジェは、震えているレイの肩に手をのばした。
「駄目、駄目だったら! アンジェ死んじゃう……」
 レイはアンジェの手を払いのける。ぱし、と二人の手がぶつかった瞬間、青白い光が走った。
「……っ……!」
 どくん、と心臓が跳ね、息が止まる。苦しくなったアンジェは胸を押さえてその場にくずおれた。
「ア……アンジェ……?」
 レイは思わず自分の手の平を見つめる。アンジェに触れた後、痺れがなくなった事に気づく。
 胸を押さえ苦しそうに呻くアンジェの姿に、レイの血の気がひいた。
「嫌だよ、アンジェ死なないで!」
 お願い誰か、誰か助けて!
 どうしたら良いか分からず、レイはおろおろして周りを見回した。
「こんちはーアンジェ元気かー」
 レイの願いが通じたのだろうか、玄関の方からニールの呑気な声が聞こえてくる。自分の身を隠す事など考える間もなくレイは走っていた。
「助けて!」
 いきなり家の裏から現れた少年を見て、ニールは派手に荷物を取り落とした。袋が破れ、こぼれた荷物が足元に散乱する。
 自分の姿を見て相手が驚いている事も気にせず、レイは必死でニールにすがった。
「お願い助けて! アンジェが死んじゃう!」
 ニールは夢を見ているのかと思い高速で瞬きした。泣きながら訴えてくる少年は例の妖精と全く同じ姿をしている。
「お兄さんお願い、早く! アンジェが……!」
 死んじゃう、と言う言葉で我に帰り、ニールはレイに連れられて裏庭に回った。
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