FAKE‐LAKE
街に入り、レイはキョロキョロと人を探しながら歩いた。

街灯の無い暗い街には余り人通りが無い。

ニール、ニールはどこ? 確か眼鏡屋さんが近いって言ってた気がする。

レイは眼鏡屋を探して商店街に足を踏み入れた。

しかしほとんどの店が閉まっている。夕食時なのだろう、明かりがこぼれている窓から笑い声が聞こえた。

「どうしたんだね?」

意を決してある店の扉を叩こうとした時、突然背後から声をかけられた。

驚いて振り向くと、小柄な年配の男性が立っている。人を探していたはずなのに、いざ出会うと一瞬怯んだ。

「あ、ああの、ニールさんの家はどの辺ですか」

男性は首を傾げて答える。

「ニール……はてねぇ」

この辺ではないね、と言われレイはがっかりした。もっと街の奥なのかもしれない。

「すみません、ありがとうございました」

お辞儀して走りかけたレイに男性は言った。

「どうしたんだい? そんな泣きそうな顔して何かあったのかい?」

レイは立ち止まって振りむき、男性を見つめた。


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