FAKE‐LAKE
 ニールは初めて聞く父親の話に驚いた。事故で死んだと聞いていたけど、裏にそんな話があったのか。
「正義感が強くて、真っ直ぐで。坊ちゃんの依頼人が来た時のお前を見ていて思ったよ。お前は父親にそっくりだと」
 そう言ってアルクはニールを見、苦笑いする。
「だから心配なんだが」
 ニールは照れたように笑った。大好きだった、憧れていた父親に似ていると言われて嬉しかった。
 静かに川は流れていく。アルクに話したせいか、混乱していた心が落ち着いてきた。ニールは迷いを川の水に流して、立ち上がる。
「親方」
「なんだい」
「おれ、親父みたいになります」
 ニールの言葉を聞いてアルクは笑った。一生心配させられそうだな、と独り言を呟く。
「ただ……弱音を吐きたいときは聞いてくれますか? 今みたいに」
 もちろん、とアルクは頷いた。
「いつでも話しなさい」
 心からの感謝の代わりに、ニールは明るい笑みを返した。
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