FAKE‐LAKE
「……リーナを頼むな」

短い沈黙の後、天井を見つめたままセティが呟いた。いきなり何を言い出すのか、とアツキは怪訝そうにセティを見る。

「どういう意味だ?」

すっと視線をアツキに向け、セティは口元だけで笑って問い返す。

「……聞くのか?」

ドクン、と心臓が反応する。まるで死を覚悟しているような台詞。

かと思ったらセティはニヤリと笑って続けた。

「人前であんなキスしといて」

「言うなそれを!!」

アツキは真っ赤になって怒鳴った。こんなところで蒸し返すあたりがセティらしい。

「若いっていいねぇ」

「ふざけんな」

そう毒づきながらも、楽しそうに笑うセティを見てアツキはほっとした。

「セティ」

「何だ」

アツキが真剣な表情をしていたので、セティは起き上がって話を聞く事にする。

「仕事の内容は聞かない。二度と口出しも尾行もしない」

上目使いで黒髪の青年を見上げているセティに、彼は言った。


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