FAKE‐LAKE
「ただ、俺とリーナを失望させるような事はしないでくれよな」

「ああ」

頷くセティに背を向け、アツキは窓の外を見た。いつの間にか雨が降り始めている。

「あと」

アツキはガラスを伝って落ちる雨粒を見つめたまま、振り返らずに言った。

「兄貴と同じ姿になって帰ってくるなよ」

セティは顔をあげた。確かに一歩間違えばそうなる可能性もあるだろう。

振り向かずに返事を待っているアツキの背中に、穏やかな声で答える。

「……ああ、分かった」

約束は出来ないが、という一言はあえて吐息に変えておいた。



‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥



「あ、シアナ!」

配達中の夕刊を抱えたシアナを見つけて、ニールは手を振りながら駆け寄った。

「お、ニール。今日はもう上がりかい?」

「そ! 任務完了さ!」

元気に笑うニールにシアナは新聞を一部手渡す。

「何、くれるの?」

「どうせ余るからね」


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