FAKE‐LAKE
「借金を帳消しにしてやる代わりに私の下で働かないか。君は優秀な人間だし、悪い取引じゃないだろう?」
壊れた心を抱えたシアナは、博士に言われるままどんな仕事も難無くこなした。中には法に触れる物もあったが気にもならなかった。そのせいか博士に気に入られたらしいが、そんな事すらどうでもよかった。
何も感じず、何も願わず、ただ流されて生きる。人の痛みも、悲しみも――自分の痛みにすら無感覚になった心を抱えたまま。
リアレスクでのレイの捜索も、捕獲計画も淡々と進めた。表と裏の顔を上手に使い分けた。訳ありな配達をしていると知ってニールに近づき親しくなった。常に監視するために。自分を兄のように慕うニールに温かいものを感じながらも、仕事は仕事と割り切った。
何も感じない。何も望まない。
そう、生きてきたのに。
なのに――
シアナは立ち上がった。薬が効いたのだろう、眠り始めたレイに上着を掛けたままにする。恐らく、明日にはぼろきれと化しているだろうが。
「また明日来るからな」
そう言って一度扉の前で立ち止まった。冷たい表情の仮面をつけ直し、揺れはじめた心を隠して博士に報告に行く。
痛み止めは投与していない事にするため、薬の瓶は服の中に隠した。
壊れた心を抱えたシアナは、博士に言われるままどんな仕事も難無くこなした。中には法に触れる物もあったが気にもならなかった。そのせいか博士に気に入られたらしいが、そんな事すらどうでもよかった。
何も感じず、何も願わず、ただ流されて生きる。人の痛みも、悲しみも――自分の痛みにすら無感覚になった心を抱えたまま。
リアレスクでのレイの捜索も、捕獲計画も淡々と進めた。表と裏の顔を上手に使い分けた。訳ありな配達をしていると知ってニールに近づき親しくなった。常に監視するために。自分を兄のように慕うニールに温かいものを感じながらも、仕事は仕事と割り切った。
何も感じない。何も望まない。
そう、生きてきたのに。
なのに――
シアナは立ち上がった。薬が効いたのだろう、眠り始めたレイに上着を掛けたままにする。恐らく、明日にはぼろきれと化しているだろうが。
「また明日来るからな」
そう言って一度扉の前で立ち止まった。冷たい表情の仮面をつけ直し、揺れはじめた心を隠して博士に報告に行く。
痛み止めは投与していない事にするため、薬の瓶は服の中に隠した。