FAKE‐LAKE
そんな事ない、と言おうとしたニールを遮りアンジェは続けた。

「だから、僕のために今度はニールを危険にするのかと思うと耐えられなくて」

ひどい事言ってごめんね、と謝る。

ああ、いつものアンジェだ。ニールはほっとした。

「あのな、アンジェ」

人差し指をアンジェに向け、ニールはきっぱりと言った。

「おれ、頭悪いからそういう遠回しな優しさに気づいてやれない」

「そうだろうと思ったからそうしたんだよ」

「こいつ」

ニールが苦笑いするとアンジェも少しだけ笑った。

灰色の雲間を割って太陽が覗き、窓から眩しい陽射しが入ってくる。その短い間、光を浴びる二つ並んだ杏の鉢。

二人とも黙ってレイの事を思い出していた。

明るい笑い声、可愛いと言われてふてくされた顔。

くすぐったがりな所、甘い物を食べた時の幸せそうな顔、泣き虫な所、あどけない寝顔……

「妖精みたいな奴だったな」

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