FAKE‐LAKE


「……でさ、ばば様渋々寄り合いに行った訳。そしたらロマンスグレーのイケメン爺ちゃんがいたらしくてさ、色気づいちゃって白髪染めなんかし始めて」

身振り手振りを加えながら、ニールは最近のばば様情報を話す。

「しらがぞめって?」

テーブルに両肘をついているレイはガラスの器から干しいちじくを一個つまんでかじった。

「歳とると髪が白くなるんだよ。それを染料で染めるんだ、黒や焦げ茶に」

髪を染める、と聞いてレイは突然立ち上がった。

「それ! 僕もしたい!」

どうやるのと目を輝かせるレイを、ニールは不思議そうな表情で見た。

「レイには早過ぎるよ。まだ白髪じゃないだろ」

ニールは思った事を素直に口にする。

「そう……だけど」

レイの表情がふっと曇った。その理由をニールは知らない。

ニールには普通に思えるレイの髪の色も、本人にとっては自分が“異常”である事の印でしかないのだ。


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